佐賀大学教養教育運営機構

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第2主題分野  思想と歴史

 古来、人類はさまざまな思想的営みによって人間と社会の理念を求め、こうした理念と現実との相克のなかで歴史を展開してきました。これらの理念は、各地域の歴史の中へ継承されて新たな理想を産み出し、文化や社会の発展に貢献してきたのです。他方、これらの思想や文化は、さまざまな地域的・国際的な交流を通じて融合・発展し、こうした歴史的な異文化理解を通して今日の国際化時代を生み出してきているとも言えるでしょう。国際化・情報化というキーワードで理解される現代社会の人間にとって、世界各地域の思想と歴史の特質を知り、またこれら各地域の異文化交渉の歴史を認識することは、必須の課題でしょう。本主題の目的はここにあります。21世紀を担う学生諸君が、過去の思想と歴史の理解を深めることによって未来への展望を開いてくれることを期待しています。

 この分野は、二つの副主題で構成されています。

副主題「人間・社会と思想」

 副主題「人間・社会と思想」では、理論的思考の方法や人間倫理の基本問題をはじめ、古代ギリシア哲学、ヨーロッパ近代の諸思想、中国古代思想などと共に、近代社会科学の母胎となったヨーロッパの経済思想や社会思想、あるいはそれらの国際的影響の諸側面を学習することができます。

題「歴史と異文化理解」

 副主題「歴史と異文化理解」では、ヨーロッパ・アジア・日本の各時代にわたる歴史の諸相が解明されると共に、各地域の歴史についての比較史考察や地域間の異文化交渉、また歴史的環境としての風土や村落・都市などが扱われます。

 ところで、それぞれの副主題の授業科目は互いに関連しあっています。ヨーロッパと中国の古代思想の習得により各地域の思想の個性を理解し、その相互比較によって人類の思想的営みの多彩な展開を学ぶことができるでしょう。ヨーロッパ近代の哲学と経済思想・社会思想の学習によって世界史における近代の一つのモデルを追求することも可能です。歴史の分野では、ヨーロッパ・アジア・日本の歴史を対比しながら考察することもできますし、あるいは、ヨーロッパや日本の歴史を縦断的に学習して、それらの地域的特性を理解することもできるでしょう。二つの副主題もまた互いに関連しあっています。例えば、ヨーロッパの思想と歴史を同時に学ぶことにより、ヨーロッパを総合的に理解することも可能であり、このことは、アジアや日本についてもあてはまります。
 学生諸君に対しては、自らの希望に従い、副主題の授業科目を適宜組み合わせて、体系的な理解ができるように選択されることを希望します。なお、「思想と歴史」分野では、ほぼ3年間ですべての授業科目が開講されることになるから、この点も併せて考えておいてください。
 佐賀大学学士力と本分野の開講科目との対応関係について言及すると、「思想と歴史」という主題に関わる以上、本分野のほぼすべての科目が、「1.基礎的な知識と技能」のうちの「文化と自然」、すなわち、「世界を認識するための幅広い知識を有機的に関連づけて修得し、文化的素養を身につける」に対応します。このことは、上記の概要からも明らかでしょう。
 同様に、副主題として二分されているものの、学士力の観点から見ると両方の主題が共に関与する項目、例えば、「3.個人と社会の持続的発展を支える力」に関わる科目数が多いのも特徴です。他にも、「2.課題発見・解決能力」のうち「現代的課題を見出し、解決の方法を探る能力」に関する科目として、両方の主題から、宗教学入門や日本社会と女性の地位を例示できます。
 副主題「人間・社会と思想」に関する科目の場合は、上記3.の学士力のうち、「高い倫理感と社会的責任感」に関わるものが多い。例えば、中国古代の思想、思想の社会史、近現代の政治思想などです。
 副主題の「歴史と異文化理解」に関する科目の場合は、3.の学士力のうちの、「多様な文化と価値観を理解し共生に向かう力」に関連するものが数多く含まれています。例えば、日本近世の社会と経済、地図の世界などです。しかし、副主題「人間・社会と思想」で言及した科目のほとんどが(重複を避けるため具体的科目名は省略します)、この項目に関係します。その他、項目1.の「(4)専門分野の基礎的課題」に関わる科目として、例えば、ヨーロッパ中世史、考古学概説をあげることができます。これらは2.の「(1)プロフェッショナルとして課題を発見し解決する能力」とも関わります。
以上、学士力との関連で言及した項目にしろ、例示した科目名にしろ、ほんの一部に過ぎず、重要な点、そして学生諸君に望むのは、シラバスを検討し、担当教員に直接質問するなどして、個々の科目について充分に情報を収集し、判断する労を厭わないことであります。扉を開くために、どうか扉を強く敲いてください。

<理工学部の技術者教育(JABEE)プログラムでは、第2分野の主題科目に対して以下の学習・教育目標を設定しています。>

(知能情報システム学科日本技術者教育認定機構認定プログラム)
大目標(A) 情報システムが社会の様々な分野に及ぼす影響を総合的に理解する能力を育成し,情報技術者としての責任を自覚させる。(大目標のみ)

(機能物質化学科機能材料化学コース)
大目標(B) 情報処理、プレゼンテーション、コミュニケーション能力を養い、自主的に仕事を計画、実行、統括できるデザイン能力を身につける。
小目標(B-1) 人文・社会科学を幅広く学習し、社会における化学の役割を多面的に認識し考える能力を身につける。

(機械システム工学科)
(※この学科の学習・教育目標は、1分野から3分野の主題科目にのみ対応しています。)
大目標1.人間社会と自然環境の調和を目指し、グローバルな視点から多面的に物事を考察することができる。
小目標1-1 人文・社会または芸術的な見方を体験する。

(電気電子工学科技術者教育プログラム)
大目標(A) 地球的視点から、ものごとを多面的にとらえ、自分自身や自国の価値観、利益のみでなく、他者や他国の立場にたって物事を考える能力と共に、社会における技術者としての使命、および責任を認識できる能力を養う。
小目標(A1) 世界的視野に立った環境問題やエネルギー問題について考え、文化、伝統、宗教などの違いを踏まえ、多面的に物事を考える能力を身につける。