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第5主題分野  数理と自然

 分野別主題科目「数理と自然」の目的は、自然科学の進展とそれによって生じた問題点を明確にし、今後の方向性を探るための知識を自ら考える能力を養うところにあります。

 この分野は四つの副主題(「数理の世界」、「物質の科学」、「身のまわりの科学」、「自然と生命」)で構成されています。

(第1)副主題「数理の世界」

 (第1)副主題「数理の世界」には、以下の五つのコア授業科目があります。
「代数と離散数理」:整数とその計算を主として調べることから発展した整数論、数や式とその演算を対象とすることからスタートした代数学などがこの領域に入っています。
 「図形の幾何」:数学において“空間”とは、数学を考える土台そのものを指す言葉となってきています。
様々な空間内で図形を捉えることは、代数学や解析学など他の分野でも求められる能力です。そういった空間把握能力を高める授業や、空間そのものを探求する授業がこの領域に入っています。
 「連続と変化」:無限や極限という概念は、連続量や実数と緊密な関係にあります。それらは自然現象を表現するいろいろな関数の性質を調べるときに不可欠なものです。高校の数学での微分積分を発展させた内容が中心ですが、無限、極限、収束、微分可能性などについて考え直す基礎的内容の授業も行われます。
 「ゆらぎの数理」:個々の事象の予測は不確定です。可能性の割合をみたり、全体の傾向を知ることで、決断を下す助けとすることは日常経験することでしょう。サイコロや天気予報を連想する確率論、交通事故や偏差値を連想する統計学などがこの領域に含まれます。
 「情報のしくみ」:情報は人の知的活動のすべての基礎となっています。コンピューターの発達で知的活動を情報の側面から捉えることができるようになりました。この講義ではそれぞれの教員が、情報の量の側面、コンピューターによる情報処理、単純な素材が作る複雑な世界、生命の受け継ぎにおける情報、生体活動の中での情報、知的活動における情報、計画への応用などの分野を取り上げます。

 これら5つのコア授業科目は佐賀大学学士力の1(1)の「文化と自然」に相当します。

(第2)副主題「物質の科学」

 (第2)副主題「物質の科学」には、以下の五つのコア授業科目があります。
 「力と運動」:物質世界の基本的な法則を扱うのが物理学ですが、その考え方の基本的なパターンが、ガリレオによって始められニュートンが完成させた『力学』です。そこでは、天体や物体の運動が、時間の空間の中での法則としてみごとに体系化されています。しかし時間と空間という枠組みそのものもアインシュタインによって大きく変えられました。これらについて解説します。
 「波動と電磁気」:自然界の現象は大きく分けると『粒子の運動』と『波動の伝搬』という形で描くことができます。前者は「力と運動」などで扱うが、ここで主に後者について学ぶことになります。波動の中でも特に重要なものが光を含む電磁波です。また、ほとんどの現象が電気や磁気に関連していると言っても過言ではありません。そこで電磁気の基礎を概説し、さらに電磁波について説明します。
 「熱と物質」:物質を構成する微視的な原子・分子の集合体と熱との関係を力学的な観点から概説します。
物質の多様な性質をその構成粒子間の相互の結合の観点から解説します。
 「ミクロの世界」:物質を構成する最も基本的な粒子を求めて今世紀に多くの物理学者が研究してきました。また、その研究過程で古典物理学の枠組みを越えた量子力学が確立しました。この講義では、原子、原子核、素粒子の構造の概要や量子力学の基礎について解説します。
 「分子と原子」:物質は分子、原子と呼ばれる非常に小さな構成単位の集合体です。そこで、物質を理解するためには、分子と原子の構造と性質を理解しなければなりません。そのためには、分子・原子の構造・性質を支配する原理を理解するとともに、個々の事例についての知識を増すことが重要です。この授業科目では、分子と原子についての概論及び各論を担当者の方法論と視点に基づいて解説します。
 これら5つのコア授業科目は佐賀大学学士力の1(1)の「文化と自然」に相当します。

(第3)副主題「身のまわりの科学」

 (第3)副主題「身のまわりの科学」には、以下の一つのコア授業科目があります。
「生活の化学」:私たちの身のまわりにはいろいろな化学物質が存在し、衣食住のすべてに関わりをもっています。セーターやジャケットの原料となっている羊毛や合成繊維、食品の中に含まれる各種栄養成分、住宅の壁に塗ってある塗料などはすべて天然あるいは人工の化学物質です。また、最近マスコミによく登場するダイオキシンや温室効果ガスなども化学物質です。このことを考えると、私たちの生活をより豊かにするためには、あるいは私たちの生活から発生する諸問題を解決するためには、『化学』が必要不可欠であることが分かります。この科目では、身近な物質と現象を化学的な目で分析し、理解できる能力を養うことを目的として、様々な角度から講義を行います。
 このコア授業科目は佐賀大学学士力の1(1)の「文化と自然」に相当します。

(第4)副主題「自然と生命」

 (第4)副主題「自然と生命」には、以下の四つのコア授業科目があります。
 「宇宙と地球の科学」:宇宙と地球の長大な時空間で起きてきたこと、現在起きていることを対象とします。星の誕生、地球の形成、海陸分布の変遷、地球内部の動きと地震・火山活動、生命の誕生から知性を持つ生物までの進化の過程、大気組成の変化や気候変動、宇宙の歴史や天体の活動、資源や地球環境問題など広範囲な分野にわたって講義します。担当者の専攻分野により偏りもあるので、個別授業や実験で補ったり、すでに受講した個別授業や他の科目を宇宙と地球のシステムと関連させて理解を深める一助ともできます。『高校地学』を受けていない人にも理解できるように配慮されています。
 「生命と物質」:生物のからだは、高度に組織化された化学物質の集合体です。生物が生きているとは、『何種類もの生体分子が巧みに連携しながらそれぞれの機能を果たしている状態である。』ということもできます。この営みの主役であるタンパク質、核酸などの巨大分子は、現在の構造・機能を獲得するまでに数十億年を費やし、簡単な分子から複雑なものへと進化してきました。そして、水や金属などはそれら主役分子の機能を助ける重要な働きをしています。この講義では、このような生命の化学的一面を解説します。
 「生命の科学」:約35億年前、地球上に生命が誕生しました。それから現在に至るまでの長い長い年月をかけて、環境に適応しながら生物は進化し、多様な生命を育んできました。それは、DNA に書き込まれた遺伝情報を生殖活動を通して子孫に伝える営みの連続ともいえるでしょう。自分のもつ遺伝情報をかたくなに守ろうとする保守性と、環境の変化に柔軟に対応するしたたかな進歩性、それが生命の本質かもしれません。この授業科目では、植物や動物など身近な生物を例にとりながら、生命の科学を平易に解説します。
 「生物の生態と社会」:生命の基本的単位は個体です。個体は集まって一つの集団を作り、集団間の相互作用のもとでさらに高次のシステムが形成されます。生物の生活は、このような個体間相互作用、集団間相互作用、さらには無機環境の関わりの総合的な影響下に存在し、その進化さえも巨大な生物・環境複合体の経時的な内部変化として進行してきたと理解することができます。もちろん人間の活動もその一部ですが、他の生物に対するその影響力は日々増大しています。この授業では、生物の生態、行動、社会、人間の関わりについて、巨視的な視点からわかりやすく説明します。
 これら4つのコア授業科目は佐賀大学学士力の1(1)の「文化と自然」に相当します。

○第5分野「数理と自然」《履修上の注意点》
 第5分野「数理と自然」のコア授業では、一つの授業科目名の中に、異なったサブタイトルをもつ複数の講義が開かれていますが、同じ授業科目名からは、一つのサブタイトルの講義しか履修できません。